田代平山荘・乳頭山・笊森山・湯森山・笹森山 2019年7月13-14日 その1
雨でも比較的安全な山小屋と思われる田代平山荘に泊まり、天気が悪くなければ、笊森山、湯森山、笹森山と周回することにしました。田代平山荘までは渡渉がなく、稜線以外は樹林帯ですので、雷様からも身を守ることができます(樹林帯が安全というわけではなく、森林限界以上の稜線よりは安全という意味)。
日程的には、駒ヶ岳8合目から乳頭方向への周回は可能で、たぶんこの方向の日帰り登山者の方が多いと思われます。最初に8合目と笹森山の間の赤倉沢を渡渉してしまえば、あとは大きな渡渉はありません。しかし重いザックを背負って田代平山荘まで行くのは大変です。
孫六温泉から入れば、重いザックを背負うのは田代平山荘まで。翌日はいくらか軽くなったザックでの縦走になります。悪天候なら引き返すのみ。この方向は今回が初めてです。
5月に行ったとき、田代平山荘にトイレットペーパーがありませんでしたので、100m巻を11本、ザックに詰めました。天気がよければ天蓋の上に乗せるつもりでしたが、雨のようですので、すべてザックに、潰れないように配慮して詰めました。水は2.9L、酒は4種1700mlです。ズシリと重いザックですが、田代平山荘までの2時間の試練です。
アルパこまくさでザックなどを整え、車で孫六温泉に向かいました。ゲート手前の駐車スペースには先客はありませんでしたが、パトカーがいました。
何ごとかと聞いてみると、この先で車が脱輪しているとのこと。通行禁止のはずなのですが。
仙台ナンバーのためか、初めて登るのかなどと聞かれました。クマが出るので気をつけるようになどと言われました。8時31分に出発です。
川沿いの道を進むと、車が脱輪していました。橋を渡れずバックして脱輪したのでしょう。この状況では積んでいるレスキュー道具では難しそうです。数人で持ちあげることができるかどうか。いざとなれば右手の大木をアンカーにハンドウインチで引きながら持ちあげるしかないでしょうが、一人では無理でしょう。関東ナンバーのレンタカーでしたが、通行禁止道路での救援は拒否または有料ですし、修理代、NOCで痛い出費でしょう。
登山口は8時39分です。ここに水場があります。
940mピークにベンチがあります(9時1分)。前回の田代平山荘以来2ヶ月ぶりの重いザックで同行者はバテ気味です。山麓泊りの登山が続いていました。
マイヅルソウの実
薄暗い樹林帯を登ります。暑くてレインウエアは下だけにしました。
渡渉はありませんが、樋状の登山道を水が流れており、滑ります。大雨で下山したときには小川のように流れていました。しかしエスケープルートとして使えるレベルです。
田代平に近づくと、花が増えてきました。
シャクナゲ
ニッコウキスゲ
ハクサンチドリ
サワラン?

田代平にて(城の崎にてのもじり?)
ゴゼンタチバナ
カニコウモリかズダヤクシュか不明
10時半に田代平山荘に到着しました。2時間でした。5月の残雪期が1時間58分でした。重いザックで2時間で登れる山小屋は、他には三ツ石山荘、笊森避難小屋、しゃくなげ荘、銀明水避難小屋などがあります。
雨ですので、この先の登山道のわきの湧水があるだろうと、汲みに行くことにしました。山荘裏の水場に降りる気にはなれません。
シャクナゲ
登山道を水が流れていますが、標高1330mの最初のピークを過ぎ、木道が始まった付近の左手を注意していると、湧水が2ヶ所ほどあります。晴天では涸れますので雨水ですが、土壌で濾過されており、加熱用にするには問題はないでしょう。2.4L汲んで帰りました。透明な水でした。
イワイチョウ
午後から晴れてくるとの予報ですので、しばしまどろみました。山荘内は14℃で肌寒さを感じました。
持参したトイレットペーパーをトイレに設置しました。トイレが1つだと思っていましたので、廃品利用の簡易ホルダーを右側のトイレに、壁をなるべく傷つけないように設置しました。しかしこれまで年余にわたってトイレットペーパーホルダーすら設置されてこなかったのは、紙持参すべしという信念なのか、単に誰もやろうとしなかったのか。「トイレ内には何も置くな」と書いてありますが、真意が理解困難です。
うすゆき山荘のトイレにも最近やっと手作り簡易式ホルダーを誰かが設置してくれて助かっています。多くの山小屋に、「トイレットペーパーは持参してください。ティッシュペーパーが使われないようにやむを得ず置いてあります。」などと書かれていますが、遠方からも多くの人がやってくる山小屋ですので、気持ちよく使ってほしいと思っています。あくまで邪推ですが、都会人の中には、道標がない、刈り払いされていない、紙がないなどと文句を言う人がいそうです。刈り払いはさておき、紙くらいは置いた方がよいと考えます。
関係者の方、ご覧になられましたら、撤去せよというなら撤去します。まともなホルダーを設置してよいなら次回設置します。紙はきっと補充してくれる人がいるはずです。ホルダーがないと、使ったティッシュペーパーの袋や使いかけのロールペーパーの直置きが懸念されます。以前はそうだったように記憶。
若干晴れてきましたので、13時8分、乳頭山に向かいました。しかしガスがかかっています。
ウラジロヨウラク
オノエラン?
乳頭山に近づくと晴れてきました。
山頂までは25分ほどです。また明日登るからという考えは禁忌です。岩手山は雲の中ですが、大松倉山、三ツ石山は見えました。
ミネウスユキソウ
高倉山方面
一瞬姿を現した笊森山
姫神山と鞍掛山
岩手山
奥産道が開通していればどういう状況になったのでしょう。再開発論はときどき出ているようですが、期待薄でしょう。しかしここまで削ったのなら、もう少し活用すべきではないかと。網張から電気自動車で送迎するとか。リフトと組み合わせたバスは運行されているようですが、もう少し利便性を期待します。紅葉時期の大渋滞よりずっと環境にやさしいはずです。
箱ヶ森と南昌山
夏の雲
オノエラン?
ウラジロヨウラク
ニッコウキスゲ
また雲の中に
茶臼岳
山荘前の湿原と乳頭山
15時から解禁です。4種1700mlをペットボトルに移してきました。まずは名前にひかれて買ってしまった酒です。山形の酒です。
一気に飲んでは潰れますので、飲み食いしては散策するというパターンです。15時過ぎに始発バスで秋田駒ヶ岳から来たという10名ほどの高齢者集団がやってきました。16時半までに孫六までとかなりの強行軍です。
そのあと、人影が山頂に見えましたが、来ませんでしたので黒湯に下山したのでしょうか。
月が出ています。何かあると、すぐ歌の一節を口ずさむのがあかりんです。もちろん「月が出た出た」です。
5月には山荘前から秋田駒ヶ岳がよく見えましたが、今の時期はあまりよく見えません。
トキソウ
マイヅルソウ
茶臼岳方面
ワタスゲ
チングルマ
夕日が見られそうですので、田代平分岐まで散策です。酔っての散策はよい子は真似をしてはいけません。もちろんここでは「夕暮れ時は寂しそう」のさわりだけ。いま注目されているNSPです。
秋田駒ヶ岳
夕日に染まる乳頭山
田沢湖には雲
日の入りは19時過ぎでした。
20時頃までは飲んでいたようです。最後の月の輪は250mlほど残ったようですので、ほぼ8合です。
夜には月と星が出ていました。明日は晴れるのでしょうか。
その2へ
この記事へのコメント